<韓国:医療>ムール貝を参考にした歯科用接着剤
ソウル大学歯科大学院のアン・ジンス教授の研究チームが、米国カリフォルニア大学サンタバーバラ校の研究チームと共に、ムール貝に含まれる物質で歯科用接着剤の性能を10倍以上高める技術を開発しました。
歯科では、唾液が多い口腔で、歯の表面に接着剤がよく付くように「プライマー」という表面処理をしますが、この処理技術向上のために、研究チームは、ムール貝などの海洋付着生物が、波が激しい海で、岩に強く付着できる点に着眼しました。
ムール貝は足糸(そくし)を岩に付着させるために接触面を酸性状態にして、カテコール(catechol) (*1)の酸化を防止します。研究チームは、ムール貝の接着メカニズムを参考にして歯科治療に利用できるカテコールプライマーを開発しました。このプライマーは1ナノメートル(10万分の1ミリ)の厚さで表面に吸着します。
研究チームは、このプライマーを使用すると、現在の歯科用接着剤の接着性能を10倍以上、虫歯治療後の穴を埋める修復材としての耐久性を50%以上向上させることができ、毒性がないため、生体用として問題なく使用できると述べています。
今回の研究成果は「Advanced Materials」に掲載されました。
(*1)カテコール(catechol) :フェノール類の一種。ベンゼン環上のオルト位に 2個のヒドロキシ基を有する有機化合物。
(出所:韓国・ヘラルド経済、2017年7月17日付け内容)
(参考:wikipedia)
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