<韓国:産業動向>韓国二次電池関連企業好調、売上高・営業利益大幅増
韓国内の主要な二次電池材料・部品・機器メーカーの半期報告書の内容によると、第2四半期の売上高と営業利益が前年同期比で大幅に増加したことが分かりました。
この傾向が最も顕著だったのは、「コスモ新素材」、「日進マテリアルズ」、「FOOSUNG」、「L&F」、「エコプロ」など素材関連企業でした。
二次電池用正極活物質(減極剤)「リチウムコバルト酸化物(LCO)」を製造するコスモ新素材は、第2四半期の売上高が前年同期比61.6%増の780億2000万ウォン(約74億8000万円)、営業利益は前年同期比171.3%増の34億1000万ウォン(約3億3000万円)でした。
二次電池負極集電体として使われるエレクフォイル(Elecfoil)(*1)メーカー・日進マテリアルズは、第2四半期の売上高が前年同期比12.9%増の1120億7000万ウォン(約107億5000万円)、営業利益は前年同期比74%増の144億1000万ウォン(約13億8000万円)でした。
正極活物質(減極剤)「ニッケルコバルトマンガン(NCM)」を主力に生産するL&Fは売上高72.4%増、営業利益117.3%増でした。
電解質材料「LiPF6」を韓国内で唯一生産するFOOSUNGは、売上高が43%増、営業利益が16.4%増でした。
また、設備・部品関連企業の業績も好調でした。
電気自動車のバッテリー爆発を防ぐ電解液漏れ防止ガスケットとインシュレーターを生産する「サンアフロンテック」は、第2四半期の売上高が前年同期比8.1%減の429億6000万ウォン(約41億2000万円)でしたが、営業利益は前年同期比60.2%増の43億1000万ウォン(約4億1000万円)となり、四半期基準で過去最高を記録しました。
二次電池の組み立て工程と活性化工程用装置を製造する「DA Technology」は、第2四半期の売上高が前年同期比57.8%増の242億3000万ウォン(約23億3000万円)、営業利益は前年同期比220%増の15億ウォン(約1億4000万円)でした。
陽極材・陰極材・分離膜の加工装置を製造する「People & Technology」は第2四半期の売上高が前年同期比13.7%減の327億6000万ウォンでしたが、営業利益は前年同期比10.4%増の20億3000万ウォンでした。
二次電池業界全体の業績が改善したのは、電気自動車・エネルギー貯蔵装置(ESS)など二次電池の需要が拡大していることによるとみられています。
電気自動車用二次電池市場は、2014年の5兆7000億ウォン規模(約5470万円)から、2020年には16兆ウォン(約1兆5300億円)と、年平均20%の成長が予想されています。
また、今年1兆288億ウォン(約1240億円)規模のESS市場は2025年まで年平均32%の成長が見込まれています。
業界関係者は、「IT産業の不況で、ここ数年、二次電池の需要が減少したが、最近、中大型二次電池関連の市場全般が好調を見せており、当分の間成長が続くものと期待される」とし、「特に電気自動車などの高性能二次電池が需要を牽引する見通し」と予想しています。
(*1)エレクフォイル:硫酸銅の溶液を電気分解して生成する厚さ10マイクロメートル以下の薄い銅箔。
(出所:韓国・電子新聞、2017年8月16日付け内容)
(参考:wikipedia、東亜日報2017年8月17日付け内容)
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