<韓国:先端素材>超低消費電力通信素子を具現化する「渦巻状スピン構造体」の原理解明
韓国科学技術研究院(KIST)はスピン融合研究団のウ・ソンフン博士と大邱(テグ)慶北(キョンブク)科学技術院(DGIST)新物質科学専攻のホン・ジョンイル教授の研究チームが、スキルミオン(skyrmion)スピン構造体を用い、次世代ブロードバンド通信素子に適用可能な物理現象を解明した事を明らかにしました。
スキルミオンは渦巻状にスピンが配置されたスピン構造体を指します。
09年に初めて発見されたスキルミオンは特有の位相的安定性と小型のサイズ、効率的な動きなどの特性を持ち、次世代メモリ素子の基本単位として学界で注目を浴びています。
研究チームは、スキルミオンの次世代高周波発振器素子実装に向け、これまで理論でのみ扱われていた「スキルミオン呼吸運動」を世界で初めて実証しました。
スキルミオン呼吸運動とは、外部信号に反応してスキルミオンのサイズが大きくなったり、小さくなったりを繰り返し、新たな高周波信号を発生させる独特の磁性運動を指します。
研究チームは、優れた時間・空間分解能を有するX線撮影技法を用いて、外部信号に反応するスキルミオンの微細呼吸運動を1ナノ秒(10億分の1秒)単位で観測することに成功しました。
これを基に、外部電流を用いたスキルミオンの効率的な生成手法を開発しスキルミオンをメモリ素子に適用する道を開きました。
ウ博士は「既存の理論でのみ用いられていたスキルミオンベースの高効率次世代通信素子が、実際可能であるとする研究結果であり、今後、未来の高性能電子機器の効率的通信のための次世代通信素子の開発促進に寄与するだろう」と述べています。
(出所:韓国・IT Chosun、2017年5月29日付け内容)
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