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水田尊久

Author:水田尊久
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2000年渡韓、2012年末までサムスンに勤務、約四半世紀のエンジニア生活の後、2013年に韓国で法人を設立し独立。技術コンサルティングを中心に、韓国進出支援、市場調査など、韓国を中心に活動しています。

<韓国:IT>ナノアンテナを使った高速光通信技術で40倍高速になったCPU

韓国の研究者チームが、複数のマイクロプロセッサを高速光通信で接続し、コンピュータの中央処理装置(CPU)の速度を大幅に向上させることが可能な技術を開発しました。


基礎科学研究院(IBS)は、分子分光学および動力学研究団のチェ・ウォンシク副研究団長の研究チームが、薄い金属薄膜にナノアンテナを無秩序に配列することによって、従来のナノアンテナに比べ40倍の帯域幅を実現した事を明らかにしました。

ナノアンテナは、金属薄膜に200ナノメートル(10億分の1メートル)の直径の穴を開けて作ります。この穴に光を当てると金属内の自由電子が集団的に振動する「プラズモン(Plasmon)」という擬似的粒子が作られます。

従来は、ナノアンテナを規則的に配列してプラズモンを誘導していましたが、複数のアンテナが1つのアンテナのように作用して、多くの信号を同時多発的に処理することができませんでした。

研究チームは、ナノアンテナを無秩序に配置することによって、この問題を解決しました。

研究チームは、プラズモンの多重散乱を誘導してナノアンテナ間の干渉を低減し、それぞれのナノアンテナが独立した役割を果たすようにしました。多数のナノアンテナが、効果的に機能する多重入力・多重出力(MIMO)技術によって、同時に多くの情報伝達を行う事が可能になっています。

研究チームは、所望の信号を特定の場所に送信するために、光の照射と表面プラズモンの生成パターンの相関を分析し、光の形状を操作することによって、表面プラズモンをコントロール。これによって、6つのマイクロプロセッサに、プラズモン信号を同時に伝達することに成功しました。

チェ・ウォンシク副研究団長は、「今回の研究を通じて、ナノレベルのマイクロプロセッサとの間を、高速光通信で接続できる新たな方法を提示した」とし、「このような方式が今後、コンピュータの速度の改善に大きく貢献することを期待する」と述べています。
(出所:韓国・IT Chosun、2017年3月16日付け内容)
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