プロフィール

水田尊久

Author:水田尊久
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2000年渡韓、2012年末までサムスンに勤務、約四半世紀のエンジニア生活の後、2013年に韓国で法人を設立し独立。技術コンサルティングを中心に、韓国進出支援、市場調査など、韓国を中心に活動しています。

<韓国:先端素材>「量子ドット」大量生産技術の開発

韓国の研究チームが、半導体やディスプレイなどに使われる量子ドット(Quantum Dot)を高品質で大量に生産する技術を開発しました。


韓国機械研究院ナノ力学研究室のキム・ドクジョンの責任研究員の研究チームが、量子ドットの大量生産に向けた精製技術を開発し、量子ドットの収率を90%水準まで高めることに成功しました。

量子ドットは、電気エネルギーを光エネルギーに、または光エネルギーを電気エネルギーに変えることができる光電特性を持っており、自発光型ディスプレイや太陽電池など、幅広い分野への応用が期待されています。

問題は、量子ドットの合成過程で化学反応が起きなかったり、反応が起きても不純物が残ると、量子ドットの光電特性が低下する点でした。

従来は遠心分離器を用いて量子ドットを沈殿させ、回収する方法が一般的でした。しかしこの過程で、多くの有機溶媒が捨てられるため、環境汚染への懸念や、作業工程に手作業が入るため、均一な品質の量子ドットを大量に確保しにくい状態でした。

この問題を解決するため、研究チームは、合成溶液が流れる管の中に表面積が大きな多孔性電極対を配置して電圧をかけることによって、磁石に鉄粉が付着するように、量子ドットを電極表面に付着させる技術を開発しました。

この技術を利用し、管の中に、合成溶液、量子ドットを合成するための溶媒、さらに不要な成分を除去する洗浄液を流すと、不純物が除去された量子ドットを得ることができます。

この技術を用いると、従来に比べ溶媒の量を1/10に減らしても、目的とする量子ドットを得ることができました。また、連続的に量子ドットを生産することができるため、プロセスの自動化と大量生産化への道を開きました。

キム責任研究員は、「2014年に源泉技術を開発した後、継続的な研究開発を通じて、安定した構造に(生産)システムを改善し、量子ドットの収率を60%から90%まで向上させた」とし、「量子ドット大量生産への重要な技術だった精製工程の大量生産化に成功したことで、関連産業の発展に大きく活用されることが期待される」と述べています。

今回の研究成果は「Scientific Reports」2017年2月27日号に掲載されました。
(出所:韓国・IT Chosun、2017年2月28日付け内容)
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