<韓国:先端素材>次世代「ナトリウムイオン電池」陽極材料の開発
ソウル大学機械航空工学部のチョウ・ミョンホ教授の研究チームが、米国テキサス大学と共同で、新たな概念のナトリウムアノード材料を開発しました。
これによって、充・放電が可能な二次電池として、現在広く使われているリチウムイオン電池の代替となる可能性が高まりました。
リチウムイオン電池は、軽量で効率が高く、同じ二次電池の「ニッケル・カドミウム電池」を代替しましたが、最近は性能向上のスピードが鈍り、希少資源であるリチウムが高価であるなどの問題を抱えています。
一方、ナトリウムイオン電池は、地球上に広く存在するナトリウムが原料となるため、安価で、供給が安定しているというメリットがあります。
研究チームの成果として、電池の充放電効率を決める遷移金属として多く使われているマンガンの代わりに他の金属を活用できる道を開いた事が挙げられます。
ナトリウム二次電池の陽極材料は、酸化・還元反応をするナトリウムと遷移金属が一つの安定した結晶構造(錯イオン状態)を成さねばなりません。今回の研究で開発したナトリウム陽極材料は、遷移金属と結合した酸素だけで動作し、マンガンの代わりにチタンやマグネシウムなどの他の鉱物を用いることができます。
チョウ教授は「陰イオンの酸化・還元反応として作用するナトリウム陽極材料の物質群を最初に提示したことに意義がある」とし、「まだ、よちよち歩きの段階だが、商用化できたら価格面で強みがある」と述べています。
今回の研究成果は、「Advanced Materials」9月号に掲載されました。
(出所:韓国経済新聞、2017年9月6日付け内容)
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