プロフィール

水田尊久

Author:水田尊久
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2000年渡韓、2012年末までサムスンに勤務、約四半世紀のエンジニア生活の後、2013年に韓国で法人を設立し独立。技術コンサルティングを中心に、韓国進出支援、市場調査など、韓国を中心に活動しています。

<韓国:先端素材>グラフェンを用いたスーパーキャパシタの開発

韓国の研究チームが、グラフェンを用いたスーパーキャパシタを開発しました。


韓国科学技術研究院(KIST)光ハイブリッド研究センターのソン・ジョンゴン博士の研究チームが、中央大学のイ・ジョンフィ教授チーム・ソウル大学のチャ・グクホン教授チームと共同で、グラフェンを用いた伸縮性スーパーキャパシタ素子を開発しました。

スーパーキャパシタは、一般的なイオン電池とは異なり、イオンによる電荷の物理的吸・脱着を利用して充放電する電池システムです。瞬間出力が高く、循環安定性に優れており、迅速な充放電が可能です。

グラフェンは、優れた電気伝導度と柔軟性、高い比表面積(単位質量あたりの表面積、または単位体積あたりの表面積)を有する材料です。バッテリー電極の理想的な材料ですが、素材自体に伸縮性がありません。

研究チームは、アコーディオンや、折りたたんだ紙のような構造によって伸縮性を確保することができることに注目しました。氷の結晶を型板にして、ハニカム状のグラフェン構造体を製作し、これをのり巻きのように巻いて、全方向に圧縮工程を加えることよって、構造体は、全方向に伸縮可能になっています。

研究チームは、グラフェン構造体のハニカム構造の間にカーボンナノチューブ(CNT)を少量挿入し、 CNTが構造体のバネの役割を果たすともに、比表面積を増やしました。これにより、グラフェン構造体を100%以上2方向に拡大しても、電気伝導度が変わらない事を確認しました。

研究チームは、この構造体に電極を取り付け、伸縮性のあるスーパーキャパシタとしました。

ソン・ジョンゴン博士は「伸縮性グラフェンナノ構造体は、スーパーキャパシタだけでなく、様々なエネルギー貯蔵電極として使用可能」とし、「ウェアラブル、身体付着型素子の開発に新たなパラダイムを提示するだろう」と述べています。

今回の研究成果は「Nanoscale」に掲載されました。
(出所:韓国・電子新聞、2017年9月14日付け内容)
(参考:wikipedia)
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