プロフィール

水田尊久

Author:水田尊久
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2000年渡韓、2012年末までサムスンに勤務、約四半世紀のエンジニア生活の後、2013年に韓国で法人を設立し独立。技術コンサルティングを中心に、韓国進出支援、市場調査など、韓国を中心に活動しています。

<韓国:先端素材>グラフェンを用いた電流制御技術

韓国の研究チームが、グラフェンを用いた電流制御技術を開発しました。


浦項工科大学校(POSTEC)化学工学科のチョウ・キルウォン教授の研究チームが、グラフェンをバーナル積層(Bernal-stacking)(*1)形態に多層合成することによって、バンドギャップを作る技術を開発しました。

グラフェンは、銅より100倍以上電気をよく通し、半導体に主に使われるシリコンよりも100倍以上電子を高速で移動させることができます。強度は鋼鉄より200倍以上高く、高い熱伝導率を示すダイヤモンドより2倍以上の高い熱導電性を持っています。また、透明で伸縮性にも優れ、電子素子として最適な条件を備えています。

問題は、グラフェンは、電流の流れを制御するためのバンドギャップがないという点です。電流を必要に応じて制御できなければ、電子素子としての働きはできません。

研究チームは、銅基板の後ろに薄くニッケル薄膜を付けた触媒に、バンドギャップを制御することができる多層グラフェンを作りました。この方法を使用すると、グラフェンの層数も簡単に調節することができます。

チョウ教授は「バンドギャップが制御された多層グラフェン合成技術は、商用化に直結される重要な基盤技術」とし、「今回の研究は、グラフェンを用いたフレキシブル電子素子の開発に大きく貢献するだろう」と述べています。

(*1)べーナル積層:上にあるグラフェン層の六角形の炭素環にある炭素原子が1つおきに下のグラフェン層の六角形の炭素環の中心に置かれる配列。
(出所:韓国・電子新聞、2017年9月15日付け内容)
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