<韓国:薬品>薬物運搬用ナノマシンの開発
成均館(ソンギュングァン)大学と米国ニューヨーク大学などが参加した国際共同研究グループが、特定の細胞にのみ薬を届けるためのナノマシンをより簡単に作ることができる「パッチ粒子(Patchy Particles)」を大量に生産する技術を開発しました。
パッチ粒子は球状粒子の表面数箇所に他の粒子と結合することができる「パッチ」がついている物質です。粒子同士を貼り付け、いろんな形の構造体を作ることができるという点で、おもちゃの「レゴブロック」に例えられることもあります。
研究グループは、今回の研究でパッチ粒子を作る簡易な方法を開発しました。矩形のプラスチック粒子を溶媒に溶解し、この粒子と反対の電荷を帯びた油滴と混ぜた後、固体として固めることによって、パッチが4つある粒子を作るという技術です。これは反対の電荷を帯びた油滴と矩形のプラスチック粒子を混合すると、油滴の周囲にプラスチック粒子4個が付着する現象を応用したものです。
研究チームは、プラスチックを溶かす溶媒の水素イオン指数(pH)を調節すれば、今まで合成することができなかった四面体のパッチ粒子を作ることができる事を確認しました。
また、油滴とプラスチック粒子の大きさを調節すると、パッチの数を2個、8個など異なった仕様に製作することもできました。
今まで人の細胞の大きさの数十分の1程度の小さなパッチ粒子を作ることは技術的に難しく、大量生産には至っていませんでした。
研究グループは、現在までに作ったパッチ粒子の直径は1マイクロメートル(100万分の1メートル)水準ですが、これを100ナノメートル( 10億分の1メートル)水準に小型化する研究を進めています。
研究グループの成均館大学化学工学部のイ・ギラ教授は「長い間解けなかったパッチ粒子の大量生産の問題を解決した」とし、「これを用いたナノ構造体組み立ての研究が非常に活発になると期待している」とし、「この技術を3次元プリンタに適用する場合、印刷した3次元構造の中で、再び構造が形成される新概念のプリンタについての研究も可能だろう」と述べています。
今回の研究成果は「Nature」2017年9月18日号に掲載されました。
(出所:韓国・聯合ニュース、2017年9月19日付け内容)
(参考:wikipedia、welbo辞書)
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