<韓国:医療>T細胞関連の感染症やガンの再発の要因が明らかに
延世(ヨンセ)大学のハ・サンジュン教授の研究チームと韓国生命工学研究院のキム・テドン博士の研究チームが、体内の記憶T細胞の分化が調節される原理を明らかにしました。
記憶T細胞は、感染した細胞や腫瘍細胞を殺すリンパ球です。T細胞が細菌やガン細胞などの外部抗原を認識すると、このうちの一部は記憶T細胞に分化します。
記憶T細胞は、同じ抗原に再び出会ったとき、強力な免疫反応を起こし病原体の再感染や腫瘍の再発を抑制します。
病原菌に感染した患者やガン患者は、このような記憶T細胞が正常に形成されません。対策として、病原菌感染やガンの発生を妨げるか、または治療するために記憶T細胞の分化を誘導するワクチンの開発が必要になります。
研究チームは、細胞の中で成長、老化、免疫など、様々な生命現象に関連した物質を調節する「マイクロRNA-150」の活動を抑制すると、記憶T細胞の分化が円滑になるという事実を動物実験で確認しました。
ハ教授は、「記憶T細胞の分化に重要なマイクロRNA-150作用のしくみを究明した」とし、「C型肝炎、エイズ、結核などの感染性疾患の予防ワクチンと抗ガンワクチン治療剤の開発に重要な手がかりになるだろう」と述べています。
今回の研究成果は「Cell Reports」に掲載されました。
(出所:韓国経済新聞、2017年9月19日付け内容)
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