<韓国:先端素材>着ているだけで発電するウエア
蔚山(ウルサン)科学技術院(UNIST)新素材工学部のチェ・ギョンシン教授の研究チームが太陽光と熱電素子を融合した「ウェアラブル熱電発電機」を開発しました。
体温と大気の温度差を利用して電気を作り出す試みは過去にもありましたが、皮膚と大気の温度差が摂氏2度に過ぎず、ウェアラブル熱電発電機としての実用化には否定的な評価が多数を占めていました。
研究チームは、布のように柔軟な電子基板の中に光を吸収できるようにするため、「ビスマステルルライト(Bi₂Te₃)」をインク状にして何重にも印刷。この基板を用いて作った発電装置は光が当たる所とそうでない所の温度差が最大摂氏20.9度にまで拡大しました。
このウェアラブル太陽光-熱電発電装置は、既存の熱電発電機よりも10倍ほど大きな温度差を確保したことで、衣服を身に着けて太陽光を浴びるだけで55.15ミリボルトの電圧と4.44マイクロワットの出力を示しました。
UNIST側は「これは10個の素子で実験した数値であり、この数を200個ほどに増やすと発光ダイオード(LED)電球一つを点ける事ができる」とし、「性能をより高め、(この発電素子を)衣服全体に適用すれば、スマートフォンなど携帯型電子機器を充電する程度の性能も期待できる」と述べています。
(出所:韓国・東亜日報、2017年9月22日付け内容)
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