<韓国:先端素材>韓国伝統紙を使ったスーパーキャパシタの開発
高麗(コリョ)大学のチョウ・ジンハン教授の研究チームと米国ジョージア工科大学のイ・スンウ教授の研究チームが、韓紙と布を使ったスーパーキャパシタ(supercapacitor)素子を開発しました。
スーパーキャパシタは、従来のコンデンサ(蓄電器)の蓄電容量を高めたもので、リチウムイオン電池に比べて約5倍の高出力を出すことができます。
最近、モノのインターネット(IoT)の発達で、ウェアラブル機器に使える紙や布などを利用したスーパーキャパシタの研究が活発に行われています。
紙・布は絶縁性材料であるため、導電性を持った電極として用いるために、これらに導電性物質を加える方法が試みられていますが、既存のカーボンナノチューブ(CNT)ベースの導電性材料は、電気伝導度とエネルギー密度が低いという問題がありました。
研究チームは、単分子リガンド(ligand)(特定の受容体に特異的に結合する物質)をベースにした層状自己造粒(*1)法を開発し、韓紙や織物の表面にナノメートル(10億分の1メートル)サイズの金属酸化物粒子を均一にコーティングすることに成功しました。
層状自己造粒法は、各種物質の層を積み上げ、薄膜状の複合体を作るナノ製造技術を指します。
研究チームは、この方法を用いて金属紙電極と、これを集電器とした紙スーパーキャパシタ素子を開発しました。
この素子は、紙の柔軟性を維持しながらも高い電気伝導度を保持しています。さらに、多孔質構造であることから高い蓄電容量と出力値を示しています。
今回の研究成果は「Nature Communications」9月14日号に掲載されました。
(*1)造粒:粉末を固めて粒状に形成すること
(出所:韓国・ニュース1、2017年9月21日付け内容)
(参考:welbo辞書)
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