<韓国:医療>ヒト胚発達調節遺伝子の機能解明
基礎科学研究院(IBS)遺伝子矯正研究団のキム・ジンスソウル大学教授をはじめとする国際共同研究チームが、胚性幹細胞がすべての体細胞に分化するために重要な役割をすることが知られている遺伝子「OCT4」の機能解明に成功しました。
OCT4遺伝子は、胚の発達過程を調節する転写因子として知られており、胚性幹細胞が全ての細胞に分化する「万能性」を維持するために重要な役割をすることが知られています。
研究チームは、OCT4遺伝子だけを切り取るクリスパー(RISPR)遺伝子のハサミを作り、19個のヒト胚に遺伝子はさみを入れ、17個の胚からOCT4遺伝子を除去しました。
その結果、OCT4が除去されたヒト胚性は「胚盤胞」段階まで発達できない事が分かりました。胚盤胞段階は、子宮に着床する前の段階を指します。
一方、OCT4遺伝子を除去したマウスの胚は、胚盤胞段階まで発達しましたが、その状態を維持する事は困難でした。
研究チームは、「OCT4遺伝子がマウスの胚に比べてヒト胚の初期発達に非常に重要な役割を果たしていることが分かった」とし、「同じ遺伝子であっても、種によって異なるメカニズムがあることを示している」と述べています。
今回の研究成果は「Nature」2017年9月20日号に掲載されました。
(出所:韓国・ChosunBiz、2017年9月21日付け内容)
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