<韓国:先端素材>食品添加材料を用いた太陽電池の開発
光をよく吸収し電荷を作り出す結晶構造「ペロブスカイト」材料を用いた太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」は、太陽の光を受けると電子と正孔を形成します。
正孔を電極に素早く伝達するためには、正孔伝達層が必要になりますが、正孔伝達層を形成するプロセスに印刷やコーティングなどが用いられているため、それに用いられれる有機材料を溶かして液体にすることが必要になります。このために今まで、溶剤として有害物質のクロロベンゼンが用いられていました。
研究チームは、クルミの香りがする親環境の食品添加物質(2-methylanisole)の溶解度を高め、クロロベンゼンを代替しました。これによって、親環境プロセスでペロブスカイト太陽電池を作ることを可能にしました。
また、研究チームは、ペロブスカイトの効率を高めるために、正孔伝達層の形状にも注目しました。電荷を高速に移動させるために、従来は添加剤を使用していましたが、添加剤を入れると、一時的に効率が高まった後、時間が経過すると効率が落ちる問題がありました。
この問題を解決するため、研究チームは、単分子を連結させ長い鎖を作り、添加剤を入れなくても、有機材料の効率を18.3%高め、経時変化への安定性も確保しました。
(出所:韓国・アジア経済、2017年9月22日付け内容)
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