<韓国:IT>高感度低濃度水素検知センサーの開発
KAIST(韓国科学技術院)のキム・イルドゥ教授とカリフォルニア大学アーバイン校のReginald M.Penner教授の共同研究チームは、大気中の1%濃度の水素ガスを7秒以内に検出することが可能なセンサーを開発しました。
無色・無臭の水素ガスは、大気中で4%以上になると爆発を引き起こす可能性があるため、大気中の濃度上昇がある場合など、迅速な検出が重要になります。
今回研究チームが開発した水素ガスセンサーは、米国エネルギー省の基準「大気中の1%の水素ガスを60秒以内に検出」を満たしています。
水素検出に関連して、1960年代に金属「パラジウム(Pd)」が水素と反応すると抵抗変化が生じる事が知られ、パラジウムベースのセンサの開発が進められましたが、酸素など大気中の他のガスの影響などが商用化への問題となっていました。。
研究チームは、多孔質構造の「有機金属構造体」(metal-organic framework)を、パラジウムベースのセンサーに適用し、水素のみを選択的に透過させ分析することに成功しました。
今回研究チームが開発した水素ガスセンサーは、常温で1万ppm(=1%、1ppmは100万分の1)、最大数百ppmレベルの微量水素ガスを7秒以内に検出することができます。
キム教授は、「環境に優しいエネルギー源である水素ガスの漏れによる事故防止に寄与できるだろう」とし、「有機金属構造体ベースの分子のフィルタリング技術を利用して、他の有害なガスセンサーも開発することができる」と述べています。
今回の研究成果は「ACS Nano」に掲載されました。
(出所:韓国・聯合ニュース、2017年9月26日付け内容)
www.takao.asia