<韓国:薬品>ポータブル麻薬検出センサの開発
基礎科学研究院(IBS)複雑系自己組織研究団と浦項(ポハン)工科大学(POSTECH)のオ・ジュンハク教授の共同研究チームは、極微量のサンプルでアンフェタミン系の薬物を検出することができるポータブル薬物検出センサーを開発しました。
この薬物センサーは、横1.5センチ、縦3.5センチの大きさで、尿・汗・唾液一滴から、極微量の薬物検出が可能になっています。
研究チームは、有機半導体(炭素ベースの化合物からなる半導体)素子表面にアンフェタミン系薬物分子のみを選択的に認知する「キューカービチュリル(Cucurbituril)」層を3〜4重にコーティングしたセンサーを開発しました。
アンフェタミン分子がキューカービチュリルと結合すると、キューカービチュリルの電荷配置が変わりますが、この時、半導体素子が反応し、電気信号を送ることになります。
今回開発した薬物センサーの感度は、水の場合、0.1 ppt(1兆分の1分子単位)、尿は0.1 ppb(10億分の1分子単位)の濃度まで反応します。尿の場合の感度は、従来のポータブル分析装置の1万倍に相当します。
覚せい剤やエクスタシーなどアンフェタミン系薬物はすべて検出可能で、スマートフォンと連動して検出結果をリアルタイム確認することができます。
IBSのキム・ギムン研究団長は「飲酒取り締まりのように、簡単に麻薬投薬の有無をリアルタイムで取り締まることができる技術」とし、「今回の技術をもとに、環境ホルモンや毒性・危険物質を感知するセンサーを開発する計画」と述べています。
今回の研究成果は「Chem」2017年9月29日号に掲載されました。
(出所:韓国・ソウル経済、2017年9月29日付け内容)
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