<韓国:医療>光を使った手術部位の接合技術
浦項工科大学(POSTECH)新素材工学科のハン・セグァン教授の研究チームが、ナノ粒子と、長波長・短波長の2種類の光を利用して、事故による傷を癒し手術後の切開部を効果的に接合することができる新たな光医薬(photomedicine)技術を開発しました。
研究チームは、近赤外線を吸収して可視光線を放出する光ナノ素材「アップコンバートナノ粒子(upconversion nanoparticle、UCNP)」に着目しました。
研究チームは、緑の波長の光を吸収して、コラーゲンがよく付くよう誘導する性質を持つ着色料「ローズベンガル(rose bengal)」を、皮膚をよく透過する生体高分子ヒアルロン酸につけた後、アップコンバートナノ粒子と混ぜた複合体を作りました。
皮膚にこの複合体を塗り、近赤外線を当てると、まずアップコンバートナノ粒子が緑色の波長の光を放出し、この光を受けたローズベンガルが皮膚のコラーゲンがお互いによく付くように誘導します。研究チームは、この技術を用いると、皮膚接合が急速に進む事を動物実験で確認しています。
一般的に外科手術後は、糸やステープラー(ホッチキス)を用いて傷口を縫合します。一方、今回開発された方法は、皮膚の深部組織で直接コラーゲンが結合するよう誘導するため、より迅速に皮膚が接合します。これによって、傷跡を減らし感染の可能性を下げることができます。
ハン教授は「今回の結果で、アップコンバートナノ粒子の優れた体内光伝達特性を様々な光医薬技術に融合することができる可能性を確認した」とし、「新たなパラダイムの光医療技術を開発していく計画」と語っています。
(出所:韓国・アジア経済、2017年9月28日付け内容)
(参考:wikipedia)
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