<韓国:医療>乳がん治療薬耐性の原因が明らかに
漢陽(ハニャン)大学のコン・グ教授の研究チームが、抗ホルモン治療剤の耐性を誘発する新たな遺伝子を発見しました。
エストロゲン受容体陽性の乳ガンは、乳ガン全体の約70%と高い割合を占めています。この中で、20~30%は治療剤に対する耐性が生じ、治療を困難にしていました。
研究チームは、臨床医療情報の分析と動物実験によって、レチノール結合タンパク質(RBP2)遺伝子の活性がエストロゲン受容体陽性乳ガンで抗ホルモン治療剤の耐性を誘発する事実を突き止めました。
研究チームは、エストロゲン受容体陽性乳ガンのマウスモデルでRBP2遺伝子の活性による抗ホルモン療法の耐性を確認しました。
研究チームは、抗ホルモン治療剤「タモキシフェン(tamoxifen)」をマウスに投与したときに、RBP2遺伝子陽性群は、対照群に比べて約5.8倍腫瘍が増殖し、治療剤耐性を示しました。
一方、抗ホルモン治療剤タモキシフェンに対する耐性を持っている乳ガンに対して、RBP2遺伝子の活性を抑制すると、腫瘍の大きさが76%減少する効果を示しました。
コン教授は「今回の研究結果をもとに、乳がんの約70%を占めるエストロゲン受容体陽性乳ガンを治療する際、RBP2遺伝子(の抑制)が効果を発揮する」とし、「現在開発中のRBP2活性阻害剤が、エストロゲン受容体陽性乳ガン治療剤耐性への標的精密治療剤になると考えている」と述べています。
今回の研究成果は「Journal of the National Cancer Institute」2017年10月12日オンライン版に掲載されました。
(出所:韓国・アジア経済、2017年10月15日付け内容)
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