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水田尊久

Author:水田尊久
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2000年渡韓、2012年末までサムスンに勤務、約四半世紀のエンジニア生活の後、2013年に韓国で法人を設立し独立。技術コンサルティングを中心に、韓国進出支援、市場調査など、韓国を中心に活動しています。

<韓国:医療>鍼を使ったガン治療法

韓国の研究チームが、ナノテクノロジーを用いた鍼によるガン治療の可能性を明らかにしました。


大邱(テグ)慶北(キョンブク)科学技術院(DGIST)エネルギー工学科のイン・スイル教授の研究チームがナノテクノロジーを用いた鍼によるガン治療の可能性を明らかにしました。

イン教授の研究チームは、DGISTコンパニオン診断医療技術融合研究室のキム・ウンジュ博士の研究チームと、大邱(テグ)韓医学科のイ・ボンヒョ教授の研究チームとの共同研究を通じて、漢方医学で用いる施鍼だけで抗がん効果と関連した分子生物学的指標に変化が現れる事を明らかにしました。

漢方医学で鍼を用いた治療法は、筋骨格系疾患の治療、痛み・中毒の緩和などの分野で長く行われています。最近では、脳疾患、胃腸障害、吐き気・嘔吐などへの有望な治療法として浮上し、また重症疾患治療方法の研究も行われています。

研究チームは、比較的簡単な電気化学的ナノテクノロジーで鍼の表面にナノメートル(10億分の1メートル)からマイクロメートル(100万分の1メートル)オーダーの微細な穴を作ったナノ多孔性鍼を開発しました。

ナノ多孔性鍼は、通常の鍼に比べ表面積が数十倍に増加し、刺激による電気生理的信号発生機能を増加させます。

研究チームは、大腸ガンの誘導物質「アゾキシメタン(AOM)」をマウスに投与して、定期的に施鍼し、大腸ガンの開始段階(6~9週)、進行段階(45~48週)に分け変化を観察したところ、施鍼したマウスは開始段階で大腸がんの前兆症状である異常陰窩巣(ACF)(*1)が対照群よりもはるかに低くなることを確認しました。

また、進行段階で大腸ガンの進行指標であるベータカテニン(β-Catenin)発現量が減少することを発見し、施鍼がマウスの大腸ガンの進行速度に影響を与えることを確認しました。

イン教授は、「ナノテクノロジーと漢方医学の技術を融合させた今回の研究では、鍼でガンのような重症疾患を治療する可能性を科学的に明らかにした」とし、「鍼が持っている潜在的効能を解明した後、融合研究として新たな医療市場を開拓するために挑戦する」と述べています。

今回の研究成果は「Scientific Reports」2017年10月号に掲載されました。

(*1)異常陰窩巣:肉眼的には正常に見える大腸粘膜であるが、組織学的には異型を示す腺管が集まって、周囲の腺管とはっきり区別できる病変を形成しているもの。
(出所:韓国・聯合ニュース、2017年10月16日付け内容)
(参考:日本ビフィズス菌センター/腸内細菌学会ホームページ用語集)
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