<韓国:エネルギー>超臨界流体二酸化炭素を用いた発電技術の開発
韓国エネルギー技術研究院は、高温・高圧の二酸化炭素でタービンを駆動する「軸流型(Axial type)タービン発電機」を開発した事を明らかにしました。
この技術は、水蒸気でタービンを回転させ電気を作る従来の発電方式とは異なり、超臨界流体(液体と気体の性質を同時に有する状態)の二酸化炭素で電気を生産する方法を用いています。
この技術を用いた発電は、従来の蒸気発電方式に比べて発電効率が2%から5%ほど高いため、石炭などのエネルギー源使用を減らし、微小粒子状物質や温室効果ガスを削減することが期待されます。
軸流型タービンを利用した発電方式は、タービンを駆動させる流体が回転軸方向に流れる方式で、韓国国内の電力生産の90%以上を占めています。
数百メガワット級の商用発電の規模では軸流型タービン技術が不可欠ですが、超臨界流体二酸化炭素の高い密度によって、高速で回転しながら生じる摩擦や軸力のために、回転部品が破損してエネルギーが失われるなどの問題がありました。
研究チームは、タービンの軸力を低減する設計と、摩擦損失を減らすことが可能な超臨界流体二酸化炭素の密封・漏洩管理システムを開発し、この問題点を解決しました。
韓国エネルギー技術研究院のクァク・ビョンソン院長は「超臨界流体二酸化炭素発電技術は、再生可能エネルギー発電所にも適用可能で、政府が推進している再生可能エネルギーの拡大政策にも寄与することができる」とし、「2019年までに数百キロワット級超臨界流体二酸化炭素発電技術の開発を完了する計画」と述べています。
(出所:韓国・聯合ニュース、2017年10月23日付け内容)
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