プロフィール

水田尊久

Author:水田尊久
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2000年渡韓、2012年末までサムスンに勤務、約四半世紀のエンジニア生活の後、2013年に韓国で法人を設立し独立。技術コンサルティングを中心に、韓国進出支援、市場調査など、韓国を中心に活動しています。

<韓国:医療>2型糖尿病の原因解明と治療薬の開発

韓国の研究チームが2型糖尿病の原因を究明し、これを改善することができる薬物を開発しました。


嘉泉(カチョン)大学吉(キル)病院のオ・ビョンチョル教授の研究チームが、2型糖尿病が発生する原因であるインスリン抵抗性(*1)の原因を発見し、細胞内カルシウムの増加を抑制する薬物がこれを改善するために効果があることを明らかにしました。

膵臓からのグルコースを分解する酵素であるインスリンが分泌されないために発生する1型糖尿病とは異なり、2型糖尿病はインスリン抵抗性の増加によって生じる糖尿病です。

人の体でインスリン抵抗性が生じた場合、血糖値を下げるインスリンの機能が落ちて適正血糖値を維持するのに問題が生じます。主に肥満などの後天的要因で発症すると言われています。肥満は非アルコール性脂肪肝、心血管系疾患などにも悪影響を及ぼすと言われています。

インスリン抵抗性は、血糖値を下げるインスリンの機能が落ちてグルコースを効果的に分解できない現象です。

研究チームは、肥満と糖尿病発生の重要な因子であるインスリン抵抗性の原因を究明するために高脂肪食を摂取したマウスを使って実験を実施。その結果、肥満と高脂血症に起因する高濃度の細胞内カルシウムがホスホイノシチド(phosphoinositide)と結合してAKTリン酸化酵素の膜移動を妨げ、インスリン抵抗性が生じることを確認しました。

ホスホイノシチドは脳と肝臓に多く含まれており神経伝達や酵素系の調節作用に重要な役割を果たします。AKTリン酸化酵素はタンパク質リン酸化酵素としてインスリンシグナル伝達を行う重要な酵素の一種です。

研究チームは、細胞内カルシウムの増加を抑制する薬物であるベラパミルが、インスリン抵抗性を改善する事を発見しました。

ベラパミルは狭心症や不整脈の治療に使われるカルシウムブロッカー系の血圧降下剤として30年前から使用してきた薬です。

オ教授は「細胞シグナル伝達に重要な物質であるカルシウムとホスホイノシチドの間に隠されたつながりを発見したという点で意義がある」とし、「ガンと代謝性疾患の研究に新たなパラダイムを提示するものと期待される」と述べています。

今回の研究成果は「PNAS」2017年10月25日号に掲載されました。

(*1)インスリン抵抗性:肝臓や筋肉、脂肪細胞などでインスリンが正常に働かなくなった状態のこと。
(出所:韓国経済新聞、2017年10月27日付け内容)
(参考:astellas製薬ホームページ「知っておきたい予備知識」)
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