<韓国:先端素材>金ナノロッドの配向特性向上技術の開発
金ナノロッドは、金をナノメートル(10億分の1メートル)オーダーの長さの棒状にした粒子です。
KAIST(韓国科学技術院)のユン・ドンギ教授の研究チームが鮭のDNAを用いてセンチメートルオーダーの広面積に適用可能な金ナノロッドの配向制御技術を開発しました。
金ナノロッドは、特有の「表面プラズモン共鳴」(金属表面の電子の集団的振動が作る共鳴現象)特性がありLCDなど次世代光素子として注目されています。
金ナノロッド配向技術は、ナノロッドを一定方向に配向(配列)させる技術で、棒が一定方向に並んでいる度合いが高いほど配向度が高く、配向度が高いほど光学的・電気的特性が優れています。
しかし、既存のナノ粒子配向技術ではマイクロメートル(100万分の1メートル)オーダーでのみ実現可能で、実用化への問題となっていました。
この問題を解決するため、研究チームは鮭のDNAを用いて平行・垂直・ジグザグなど、様々な並び方の金ナノロッド-DNA薄膜を製造することに成功しました。
鮭のDNAは人工合成DNAに比べて1000倍以上安価で、簡単な操作によりDNA分子を容易に調節することができます。
研究チームが開発した金ナノロッド-DNA薄膜は、広面積で高配向度を有し、LCD画面のカラーフィルタにも適用することが可能です。
ユン教授は、今回開発した技術に関し「金ナノロッド粒子だけでなく、様々な特性を有するナノ粒子配向に適用でき、光電素子とセンサ分野に活用することができる」と述べています。
今回の研究成果は「Advanced Functional Materials」10月10日号に掲載されました。
(出所:韓国・聯合ニュース、2017年10月26日付け内容)
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