<韓国:先端素材>白金の使用量を10分の1に減らした新触媒の開発
韓国科学技術院(KAIST)生命化学工学科のイ・ヒョンジュ教授とソウル市立大のハン・ジョンウ教授の共同研究チームが白金の使用量を10分の1に減らした白金単一原子触媒を開発しました。
白金ベースの触媒は活性と安定性が高く、触媒として良く用いられますが、希少で価格が高く使用量を減らすことが重要になります。
単一原子触媒は白金粒子を原子単位で減らし、すべての原子を反応に参加するようにするため、白金触媒の価格を大幅に下げることができます。
しかし、配位数(中心原子をめぐる他の原子の数)が低く表面自由エネルギーが高いため、容易に一塊になり、安定性が低下するという問題がありました。
研究チームは、白金単一原子触媒の安定性を高めるために、金属元素であるアンチモンが添加された錫酸化物(ATO)の上に白金単一原子が錫との合金の形で存在する構造を開発しました。
研究チームが開発した触媒は、ギ酸酸化反応で市販白金触媒よりも活性が最大50倍以上高く、長期安定性も高い事が確認されました。
また、この触媒を、実際のギ酸燃料電池に適用した結果、白金を従来触媒に使用される量の10分の1程度にしても、同様の出力を得ることができました。
イ教授は「単一原子触媒を完全な形の燃料電池に適用したのは今回が初めて」とし、「燃料電池に適用可能な金属の単一原子触媒の開発に寄与するだろう」と述べています。
今回の研究成果は「Advanced Energy Materials」2017年10月11日オンライン版に掲載されました。
(出所:韓国・聯合ニュース、2017年10月24日付け内容)
www.takao.asia