<韓国:薬品>投薬前に薬物の効果を推定するシステムの開発
KAIST(韓国科学技術院)生命化学工学科のイ・サンヨプ特聘(とくへい)教授の研究チームが投薬前に薬物の効果を推定する「人体仮想細胞システム」を開発しました。
このシステムは、ヒト細胞内で起こる生化学反応をコンピュータ上で再構成したもので、薬の効果や病気の進行程度などを予測するために使われます。
今までにも人体仮想細胞システムは開発されていましたが、システム中のデータが標準化されておらず、ヒト細胞の特性がよく反映されていないなどの問題がありました。
この問題を解決するため、研究チームは現在学界に報告された細胞中のタンパク質と遺伝子の情報を標準化しコンピュータに入力することによって精度をさらに高めたシステムを開発しました。
また、同システムは今後更新される研究結果も自動的にシステムに反映されるよう構成されています。
同システムは、1万1000以上のタンパク質が原因となる生化学反応の予測を可能にし、システムにガン患者446人の疾病データを入力すると、ガン細胞の代謝過程と抗がん剤のターゲットを表示する事も確認されています。
研究チームは「患者に合った薬治療法を知らせる精密医療をリードする基盤技術になるだろう」と述べています。
今回の研究結果は「PNAS」2017年11月2日号に掲載されました。
(出所:韓国・聯合ニュース、2017年10月10日付け内容)
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