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水田尊久

Author:水田尊久
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2000年渡韓、2012年末までサムスンに勤務、約四半世紀のエンジニア生活の後、2013年に韓国で法人を設立し独立。技術コンサルティングを中心に、韓国進出支援、市場調査など、韓国を中心に活動しています。

<韓国:バイオ>SQUIDセンサーを用いた小動物用生体磁気測定装置の開発

韓国の研究チームがSQUIDセンサーを用いた小動物用生体磁気測定装置を開発しました。


韓国標準科学研究院生体信号センターの研究チームが実験用マウスを解剖せずに非接触で、脳や心臓の信号を測定する「小動物生体磁気測定装置」を超伝導量子干渉素子(SQUID)を用いて開発しました。

実験用マウスは遺伝子や臓器の構造が人と似ており、全世界の動物実験の97%以上に用いられています。しかし、研究の過程で多数の実験用マウスが犠牲になる事が問題でした。

生体機能の変化を見るために、同じように処理した複数の実験マウスを、時間の経過に応じて解剖する従来の方法は、生命倫理に加え、効率・精度などの問題が絶えず生じていました。

特に、脳波を測定するためには、手術での実験用マウスの頭蓋骨上部を除去した後、脳に電極を挿入する必要がありましたが、手術による脳の障害、体内分泌物で電極が酸化される事よって生じる信号ノイズなどが、正確な脳波測定への問題となっていました。

これら問題を解決するため、研究チームはSQUIDセンサーを用いて安全に生体情報を得ることができる「小動物生体磁気測定装置」を開発しました。

研究チームは、センサーを小型化、密集化する技術により、装置内のSQUIDセンサーの配置を最適化しました。また、超伝導状態を維持する液体ヘリウムと測定動物間の間隔を最小化するために、極低温断熱筒構造を開発することにより空間分解能の限界を克服しました。

小動物生体磁気測定装置は、脳の他、心臓の機能も測定することが可能で、実験用マウスの心筋が発生する磁界を精密に測定する事により、「QT延長症候群」のような心臓疾患を、新薬開発の初期段階で診断することができます。

QT延長症候群は新薬開発の際の副作用として頻繁に発生しますが、最終段階になって初めて発症が確認され、事前に診断することが困難で、これが原因で、ほとんど開発が完了した新薬がNGになるケースもあります。
(出所:韓国・ソウル経済、2017年11月8日付け内容)
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