プロフィール

水田尊久

Author:水田尊久
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2000年渡韓、2012年末までサムスンに勤務、約四半世紀のエンジニア生活の後、2013年に韓国で法人を設立し独立。技術コンサルティングを中心に、韓国進出支援、市場調査など、韓国を中心に活動しています。

<韓国:薬品>アテローム(粉瘤)治療剤の開発

韓国の研究グループがアテローム(粉瘤)の大きさを低減する薬剤を開発しました。


高麗(コリョ)大学九老(グロ)病院心血管センターのキム・ジンウォン教授、中央大学システム生命工学科のパク・ギョンスン教授、漢陽(ハニャン)大学生体工学科のユ・ホンギ教授、KAIST機械工学科のオ・ワンリョル教授の研究チームが、急性心筋梗塞・心不全などを引き起こす可能性があるアテロームの大きさを低減する薬剤を開発し、動物実験で効果を確認しました。

アテロームは、動脈の内壁にコレステロール・脂肪酸などが堆積し、こぶのように大きくなったもので、これによって血管が狭くなり、虚血性心疾患(冠動脈疾患)などを起こすことがあります。

アテロームの炎症細胞(マクロファージ)が浸透すると、病気が急激に悪化することがあり、アテロームが破裂すると血管の中に血栓が生じる要因となり、血栓が心筋層や脳などに血を供給する冠状動脈(心臓動脈)・脳動脈などの血流を妨げると急性心筋梗塞、脳卒中を誘発します。

研究グループが開発した薬剤は、アテロームの炎症細胞表面に多くあるマンノース (mannose) 受容体にのみ、よく付着するように設計された結合部位(リガンド)を有しており、アテローム内のコレステロールが外に排出され、炎症を抑える大容量ロベグリタゾン(Lobeglitazone)が、天然高分子物質であるキトサンナノ粒子などで包まれています。

キム教授は「マウス実験の結果、新たな薬がアテロームのサイズを低減し、強力な抗炎症作用を有する事が確認され、有意な副作用は観察されなかった」とし、「動脈硬化ナノ標的治療」は、心血管疾患の治療の新たな選択肢になりうる」と述べています。

今回の研究成果は「Theranostics」に掲載されました。
(出所:韓国・ソウル経済、2017年11月8日付け内容)
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