<韓国:薬品>アテローム(粉瘤)治療剤の開発
高麗(コリョ)大学九老(グロ)病院心血管センターのキム・ジンウォン教授、中央大学システム生命工学科のパク・ギョンスン教授、漢陽(ハニャン)大学生体工学科のユ・ホンギ教授、KAIST機械工学科のオ・ワンリョル教授の研究チームが、急性心筋梗塞・心不全などを引き起こす可能性があるアテロームの大きさを低減する薬剤を開発し、動物実験で効果を確認しました。
アテロームは、動脈の内壁にコレステロール・脂肪酸などが堆積し、こぶのように大きくなったもので、これによって血管が狭くなり、虚血性心疾患(冠動脈疾患)などを起こすことがあります。
アテロームの炎症細胞(マクロファージ)が浸透すると、病気が急激に悪化することがあり、アテロームが破裂すると血管の中に血栓が生じる要因となり、血栓が心筋層や脳などに血を供給する冠状動脈(心臓動脈)・脳動脈などの血流を妨げると急性心筋梗塞、脳卒中を誘発します。
研究グループが開発した薬剤は、アテロームの炎症細胞表面に多くあるマンノース (mannose) 受容体にのみ、よく付着するように設計された結合部位(リガンド)を有しており、アテローム内のコレステロールが外に排出され、炎症を抑える大容量ロベグリタゾン(Lobeglitazone)が、天然高分子物質であるキトサンナノ粒子などで包まれています。
キム教授は「マウス実験の結果、新たな薬がアテロームのサイズを低減し、強力な抗炎症作用を有する事が確認され、有意な副作用は観察されなかった」とし、「動脈硬化ナノ標的治療」は、心血管疾患の治療の新たな選択肢になりうる」と述べています。
今回の研究成果は「Theranostics」に掲載されました。
(出所:韓国・ソウル経済、2017年11月8日付け内容)
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