<韓国:エネルギー>ナノオーダーの硫化錫電極材料の開発
韓国科学技術院(KAIST)のキム・ドギョン教授の研究チームがナトリウム二次電池の陰極材料に使用可能な硫化錫ナノ複合体を開発した事を明らかにしました。
ナトリウム二次電池はナトリウムイオンを使用して電気化学的酸化・還元反応を起こす二次電池で、豊富な資源・低生産コスト・信頼性などの利点から、次世代の二次電池として期待されています。
一方で黒鉛や大容量シリコンなど、リチウム二次電池の負極材料をナトリウム二次電池にそのまま適用した場合、充・放電の速度低下や電極材料の体積膨張などの問題が生じます。
この問題への対策として、研究チームは環境にやさしく低コストの水熱合成法を用いて硫化錫‐グラフェン化合物を合成し、さらに炭素化熱処理により2ナノメートルサイズの硫化錫ナノ複合体を開発しました。
研究チームが開発した硫化錫ナノ複合体は、ナノ粒子と炭素で熱処理されたグラフェン酸化物の複合効果によって、高い初期容量(1230㎃h/ g)と優れた充・放電速度を実現しました。さらに、充・放電時の体積膨張に起因する寿命低減を効果的に防止する安定性も確保しています。
キム教授は「ナトリウム二次電池の陰極材料の脆弱性である安定性と、大型電池製造の難しさを克服できる基礎を用意した」とし、「二次電池の性能を改善する一方で、経済性の確保を通じた実用化作業に乗り出せる事を期待する」と述べた。
今回の研究成果は「Small」2017年11月24日号に掲載されました。
(出所:韓国・聯合ニュース、2017年12月26日付け内容)
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