<韓国:医療>肝炎から肝臓の損傷につながる原因が明らかに
韓国科学院(KAIST)医科学大学院のシン・ウイチョル教の研究チームがウイルス性肝炎にかかると免疫抑制細胞が正常に反応しなくなり肝細胞の破壊につながる事を明らかにしました。
ウイルス性肝炎は、ウイルスによって肝臓の炎症が起こる疾病ですが、ウイルスに感染した後、肝細胞が破壊される過程は明確には理解されていませんでした。
研究チームは、肝炎にかかると免疫細胞が幹細胞を攻撃する現象に注目しました。A型肝炎の患者は免疫細胞の一つである免疫調節性T細胞が、腫瘍を壊死させるよう誘導する物質である炎症性サイトカイン(TNF、Tumor Necrosis Factor)を正常状態に比べて多く分泌することを発見しました。
免疫細胞は免疫調節性T細胞が分泌するTNFに反応して、通常の肝細胞を破壊する動きを見せました。また、A型肝炎の患者のうち免疫調節性T細胞の数が多いほど、肝臓の損傷がひどい事を確認しました。
研究チームは、A型だけでなく、B型やC型肝炎の患者からもTNFを分泌する免疫調節性T細胞を発見し、ウイルス性肝炎にかかった時に、この細胞が肝臓の損傷を引き起こす事を確認しています。
シン教授は「免疫調節性T細胞がウイルス性肝炎で肝臓の損傷を引き起こす事を明らかにした最初の研究」とし、「ウイルス性肝炎治療に利用できる細胞を明らかにした」と述べています。
今回の研究成果は「Gastroenterology」2017年12月オンライン版に掲載されました。
(出所:韓国・東亜サイエンス、2018年1月8日付け内容)
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