<韓国:医療>ガン細胞を死滅させるナノ合成物質の開発
延世(ヨンセ)大学医学部生命科学科のナム・ギテク教授とユ・ソンスク教授、梨花(イファ)女子大学化学ナノ専攻のユン・ジュヨウン教授の共同研究チームは光増感剤「亜鉛フタロシアニン誘導剤」(ZnPcS8)と抗がん物質「ミトキサントロン(Mitoxantron)」を超分子ナノ構造技術で合成し実験用マウスに投与すると、乳ガンの細胞が約80%死滅した事を明らかにしました。
研究チームは低酸素状態のガン細胞が正常細胞よりも100倍近い放射線照射にも耐え、細胞内に抗がん剤を浸透させることが困難な点に注目し、患部に光増感剤を投与すると化学反応が起こり、活性酸素が作られ、ここに抗がん物質を浸透させるとガン細胞の死滅が誘導されると予想し、難治性乳ガン細胞株を実験用マウスに移植した後、光増感剤を単独投与したグループ、抗ガン物質を単独で投与したグループ、光増感剤と抗ガン物質の合成物質投与した群に分けて観察しました。
その結果、単独物質を投与したグループの場合、ガン細胞が約400%増加しましたが、合成物質を投与したグループは、ガン細胞が約80%以上死滅しました。
ユ・ソンスク教授は「ガン細胞外周辺の正常組織の損傷はほとんど観察されず、投与した合成物質は24~48時間内に、尿として排出された」と述べています。
ナム・ギテク教授は「この合成物質が今後、低酸素状態のガン細胞の治療に有効に活用されることを期待する」とし、「今後の研究を通じて、ガン細胞死滅効果と安全性をさらに確認し、乳ガン以外に肝臓ガン・胃ガンなど、他のガン治療にも活用ことができるか調査する予定」と明らかにしました。
(出所:韓国・聯合ニュース、2018年1月8日付け内容)
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