<韓国:エネルギー>超低価格の薄膜太陽電池製造技術の開発
全南(チョンナム)大学のホ・ジェヨウン教授の研究チームが、低コストの錫硫化物をベースに太陽光吸収層の形状制御技術を開発し、長時間安定した薄膜太陽電池を作製した事を明らかにしました。
現在市販されている薄膜太陽電池は、高エネルギー変換効率を有しますが、埋蔵量が少ないインジウムとガリウムを使用しており製造コストが掛かる問題がありました。
この問題に対し、研究チームは簡易で大量生産に適した「気相蒸着法」を利用し錫硫化物の形状制御技術を確保し、これを薄膜太陽電池に適用しました。
気相蒸着法は高温の粒子が不活性ガスとともに蒸発し、移動し低温の基板上に凝縮して薄膜を形成する手法で、蒸着速度が速く大面積素子の製作に有利です。
これによって製造された薄膜太陽電池は2.984%の光変換効率を示し、6カ月以上の長期間の空気露出にも初期効率の98.5%を維持する安定性を示しました。これはカドミウム硫化物バッファ層をベースにした錫硫化薄膜太陽電池の中で最高効率に相当します。
ホ教授は「既存の複雑な組成を有する薄膜太陽電池吸収層の素材製造の困難さを克服して、簡易で環境に優しい元素をベースにした吸収層材料の研究基盤を用意した」とし、「化石燃料を代替するほどの経済性を確保した次世代薄膜太陽電池の開発を早めることができると期待している」と述べています。
今回の研究成果は「Advanced Energy Materials 」2018年1月4日号に掲載されました。
(出所:韓国・ZDNet Korea、2018年1月15日付け内容)
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