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水田尊久

Author:水田尊久
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2000年渡韓、2012年末までサムスンに勤務、約四半世紀のエンジニア生活の後、2013年に韓国で法人を設立し独立。技術コンサルティングを中心に、韓国進出支援、市場調査など、韓国を中心に活動しています。

<韓国:医療>乳ガンの治療効果を高める抗がん標的治療技術の開発

韓国の研究チームが、乳ガンの治療効果を高める抗がん標的治療技術を開発しました。


仁済(インジェ)大学医学部のバク・セグァン教授、イェ・ソンス教授の共同研究チームが乳ガン標的治療剤「ハーセプチン」(商品名)とともに使用し腫瘍の治療効率を高め、副作用である免疫機能の低下を防ぐ新たな治療物質を明らかにし、動物実験を通じてその効果を確認した事を発表しました。

標的治療剤はガン細胞にのみ存在する固有の物質や構造を、抗体(モノクローナル抗体)を用いて追跡し攻撃する抗ガン治療剤です。正常細胞には触れずガン細胞だけを死滅させる事ができるため副作用が少ないと言われており、このようなメリットのために一般的に第2世代の抗がん剤と呼ばれています。

乳ガンの場合、ガンの成長に関与する遺伝子「HER2」を攻撃するハーセプチンが代表的な標的治療薬として挙げられます。ハーセプチンは抗ガン効果が優れていますが繰り返し使用するとガン細胞に耐性が生じ、場合によってはガンが再発する問題が指摘されていました。

研究チームはガン細胞内で抗がん剤に耐性を起こす酵素(PI3K)に注目しました。この酵素を阻害するとガンの発生が減少し治療に対する耐性を減らすことができます。一方、この酵素は人体の正常な免疫細胞の増殖にも影響を及ぼし、患者の免疫力を低下させる事があるため、簡単に抑制することができませんでした。

研究チームはPI3Kが1種類ではなく複数の種があり、そのうちの一部の亜型「p110a」だけを選んで抑制すると、患者の免疫力を損なうことなく標的治療剤の効果を最大化でき、実験用マウスを用いた動物実験を行った結果、化学物質「A66」をハーセプチンと併用すると、ガンの治療効率が急増する事を明らかにしました。

この治療によって、腫瘍サイズがハーセプチンのみを使用したときの約3分の1に抑制できることが確認されています。重度の乳ガンを患っているマウスにハーセプチンだけ処方したときは60日後に全てのマウスが死亡しましたが、A66を一緒に処方した場合、100日が経過しても半数以上が生存していました。

パク教授は「ハーセプチンの乳ガン治療効果を高めたのはもちろん、並行治療物質を選別する新たなしくみを発見した」と述べており、イェ教授は「新たに発掘された標的(治療技術)は耐性と再発が問題となる他のガンにも適用することができる」と述べています。

今回の研究成果は「OncoImmunology」2018年1月15日号に掲載されました。
(出所:韓国・東亜サイエンス、2018年1月22日付け内容)
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