プロフィール

水田尊久

Author:水田尊久
http://www.takao.asia/
2000年渡韓、2012年末までサムスンに勤務、約四半世紀のエンジニア生活の後、2013年に韓国で法人を設立し独立。技術コンサルティングを中心に、韓国進出支援、市場調査など、韓国を中心に活動しています。

<韓国:医療>後天性難聴の原因となる聴覚神経障害誘発遺伝子が明らかに

韓国の研究チームが、後天性難聴の原因となる聴覚神経障害誘発遺伝子を明らかにしました。


盆唐(ブンダン)ソウル大学病院耳鼻咽喉科のチェ・ビョンユン教授の研究チームが後天的に聴覚神経障害を引き起こす遺伝子変異を発見した事を明らかにしました。

聴覚神経障害は声の認知能力が大幅に低下する難聴疾患の一種で、発症の原因は低酸素症、感染症、核黄疸、細胞毒性薬の使用、遺伝的原因など非常に多様で、後天的に発生する遺伝性聴覚神経障害は明らかになった部分がほとんどなく治療の時期と治療方法の決定に困難が伴っていました。

研究チームは、生まれた時には通常の聴力で後天的に難聴の症状が発生した患者106人を対象に次世代シーケンシング(NGS)を用い遺伝子診断を実施した結果、聴覚神経障害と診断された患者3人のうち2人に同じ「ATP1A3」遺伝子の突然変異を発見しました。

ATP1A3遺伝子の突然変異はCAPOS症候群(小脳性運動失調、視神経萎縮、感覚神経性難聴などが同時多発的に現れる疾患)の原因遺伝子としてのみ知られていましたが、今回の研究を通じてCAPOS症候群で現れる難聴が聴覚神経障害であるという事実を明らかにしました。

また、ATP1A3遺伝子の突然変異が確認された患者2人のうち1人は、CAPOS症候群に該当する症状と兆候を見せました。一方、他の1人は、難聴がほぼ唯一の症状でした。これによって、ATP1A3遺伝子の突然変異がCAPOS症候群ではなく、聴覚神経障害だけを引き起こす可能性があるという事実も確認されました。

今回の研究を基に、上述の患者に人工内耳移植手術をした後、3カ月ごろから非常に優れた結果を見せ始め、6カ月までの追跡観察の結果、非常に良好な状態を維持している事が確認されています。

チェ教授は「今回の研究で後天性聴覚神経障害の重要な遺伝原因を究明することができた」とし、「遺伝診断結果に人工内耳移植手術の結果を予測し手術するかどうかを決定するために大きな助けになる」と述べています。

今回の研究成果は「Scientific reports」に掲載されました。
(出所:韓国・ChosunBiz、2018年1月22日付け内容)
www.takao.asia
にほんブログ村 ニュースブログ 科学ニュースへ

THEME:ものづくり | GENRE:ビジネス |

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

検索フォーム
メールフォーム

お名前:
メール:
件名:
本文:

韓国伝統工芸
QRコード
QR