<韓国:医療>敗血症の抑制原理が明らかに
ソウル大学のペク・ソンフイ教授と淑明(スンミョン)女子大学のキム・グンイル教授が主導した共同研究チームが敗血症を抑制する新たなしくみを明らかにしました。
敗血症は微生物に感染して全身に深刻な炎症を起こす病気で、健康な人でも急速に症状が悪化し重篤な場合死に至る病です。
治療には、抗生物質を投与して原因菌を除去しなければなりませんが、原因菌を見つけるために3〜5日を要し、短期間で症状を緩和する方法を見つけることが課題となっていました。
研究チームは、ヒストン脱メチル化酵素「LSD1」のリン酸化の有無が敗血症炎症反応の核心部分であることを明らかにしました。LSD1は既存のアンドロゲン受容体、エストロゲン受容体などと結合してガンを発生させたり、生体リズムに重要な役割をすることは分かっていましたが、炎症反応を促進する事実は今回初めて明らかになりました。
研究チームは、マウスに炎症反応を誘発する物質(脂質多糖体・LPS)を注射して、敗血症のような状況を誘導しました。この時、LSD1がリン酸化されないように遺伝子を操作したマウスは正常なマウスよりも肺の損傷が少なく、生存率も高い事が確認されました。
ベク教授は「炎症反応を引き起こす新たなグナル伝達経路を発見し、この経路をブロックする事により敗血症を抑制することができる事を明らかにした」とし、「敗血症の生存率を向上させることができる治療薬のターゲット開発に寄与するだろう」と述べています。
研究の結果は、「セル」姉妹誌「モレスキンテメキュラセル」に掲載された。科学技術情報通信部、韓国研究財団の基礎研究支援事業(個人・集団の研究)に行われた。
今回の研究成果は「Molecular Cell」に掲載されました。
(出所:韓国・電子新聞、2018年1月26日付け内容)
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