抗ガン効果を向上させた「ナノ粒子」の開発
韓国科学技術研究院(KIST)のキム・インサン博士の研究チームが、慶北(キョンブク)大学化学工学科のイ・ウンジョン教授の研究チームとともに、抗ガン免疫力を高めた「ナノ粒子」を開発しました。
ガン細胞は免疫細胞の攻撃を防ぐ一種の「盾」として細胞表面にタンパク質「CD47」を有しています。研究チームは、ナノ粒子にCD47タンパク質と結合するタンパク質「SIRPα」を結合させ、体の中に入れる事によって、「盾」となるタンパク質が機能しない方法を考案しました。さらに、ナノ粒子には免疫細胞の活性を促進する他の化学物質も結合させました。
実際にこのナノ粒子を、大腸ガンを患うマウスに注射した結果、ナノ粒子はガン組織に運ばれ、腫瘍の成長を阻害しました。
治療を受けていないマウスの25日後の腫瘍体積が1000立法ミリメートルほどに成長したのに対し、同期間に合計5回のナノ粒子を投与したマウスは腫瘍の大きさの増加はほぼありませんでした。
キム博士は「体の中の免疫細胞を活性化して、ガンを攻撃するこのナノ粒子は、既存の抗ガン剤の限界を克服することができる次世代の抗ガン治療剤として活用が可能になると期待している」と述べています。
今回の研究成果は「Advanced Materials」に掲載されました。
(出所:韓国・聯合ニュース、2018年1月29日付け内容)
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