<韓国:生物・生命科学>細胞中の液体粘度が確認可能に
光州(クァンジュ)科学技術院(GIST)高等光技術研究所のイ・チャンヨル博士の研究チームが、亜洲(アジュ)大学のクォン・オピル教授、韓国科学技術研究院(KIST)のキム・セフン博士の研究チームと共同で分子回転体を基にしたマイクロ流体粘度を測定できる蛍光分子センサーを開発しました。
マイクロ流体は極めて細いナノメートルオーダーの構造物に流れる液体や気体を意味します。細胞の中の液体や細い毛細血管の中を流れる血液などの様々な生体組織もこれに属しており、生命現象と密接な関係がありますが、細胞や組織に損傷を与えることなく粘度を測定するのが難しい状態です。蛍光物質分子で物質の粘度変化を測定する方法が研究されていますが、効率が低く正確な測定が困難となっているのが現状です。
粘度によって蛍光物質が反応するには蛍光物質の中に「回転体」が必要になりますが、既存の蛍光分子センサーは回転体が1つだけとなっており、蛍光効率とコントラストが最適化されておらず商用化の障害になっていました。
研究チームは既存センサーの欠点を克服するために2つの回転体を導入して、蛍光効率とコントラストの高い蛍光分子センサーを新たに開発しました。
イ博士は「既存の方法で測定が困難なマイクロ流体を確認でき、より多くの生命現象を映像として確認することができる」とし、「今後、医療診断など様々な分野に活用することができると期待される」と述べています。
今回の研究成果は「Chemistry-A European Journal」2017年12月5日号に掲載されました。
(出所:韓国・東亜サイエンス、2018年2月6日付け内容)
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