<韓国:IT>痛みの感覚を人工的に実現する電子素子の開
ソウル大学のファン・チョルソン教授と韓国科学技術院(KAIST)のキム・ギョンミン教授の研究チームが、米国マサチューセッツ州立大学のユン・ジョンホ博士の研究チームとともに、メモリスタ(memristor)素子を用いて痛覚受容器の特性を人工的に実現しました。
メモリスタ(memristor)はメモリ(memory)と抵抗(resistor)の合成語で、電流値に従って抵抗値が変化する電子素子です。
最近学界では、神経細胞のニューロンを電子素子で実現し、電気的信号を高速処理する研究が活発に進められています。ニューロンに電気信号を送信するには、外部刺激を感知し刺激の強さに応じて生体信号を生成する受容器が不可欠になりますが、現状、神経系の構成要素の一つである受容器(刺激情報を受け入れる構造)の部分の研究があまり行われていませんでした。
研究チームは、メモリスタ臨界スイッチング特性が痛覚受容器と類似している点に着目し、痛覚受容器に類似した素子を開発しました。臨界スイッチングとは、しきい値以上の電圧が素子に加えられると素子抵抗が低くなり、電圧が除去されると素子の抵抗が元の状態に高まる特性を指します。
人の痛覚受容器も、特定値を超える刺激にのみ反応し痛みの信号を伝達します。
ファン教授は「世界初の痛覚受容器の特性を実現する電子素子を開発した」とし、「最近関心の高いヒューマノイドの発展に寄与するものと期待している」と述べています。
今回の研究成果は「Advanced materials」2018年1月10日号と、「Nature communication」2018年1月29日号に掲載されました。
(出所:韓国・聯合ニュース、2018年2月7日付け内容)
www.takao.asia