<韓国:医療>人体に有害とされたナノ物質で肺ガン治療効果が向上
嘉泉(カチョン)大学医学部のカン・ドンウ教授の研究チームが特定サイズのカーボンナノ材料を利用して抗ガン剤を肺細胞に効果的に投入する治療方法を明らかにしました。
カーボンナノ材料(カーボンナノチューブ)は、炭素で構成された直径がナノメートルオーダーの円柱状構造体です。幅よりも長さが長いナノ物質は、肺組織に蓄積する性質があるため、一般的に人体に蓄積される代表的な有害物質として認識されています。
研究チームは、視点を変えると、この特性が肺に集中的に薬剤を運搬する伝達体として利用できると考え、毒性を抑制し、肺ガン腫瘍のみ集中的に治療する物質を開発しました。
研究チームは、肺ガンにかかったマウスに、様々な炭素ナノ薬物を適用して、抗腫瘍効果を評価した結果、少量を用いた場合、既存の抗ガン治療剤より優れた効果を示す事を確認しました。
研究チームはまた、直径が60~100ナノメートルのカーボンナノ材料の場合、カベオリン(caveolin)を通して細胞内への流入が活性化し、肺ガン腫瘍のサイズが著しく減少することを立証しました。カベオリンは細胞外の様々な物質を細胞内に輸送するために関与する蛋白質です。
カン教授は「肺に蓄積される受動特性と細胞流入を活性化する能動的制御を同時に利用してナノ抗ガン剤の効能を極大化した」とし、「生分解性または生体適合性ナノ物質を選択し、形や大きさを最適化する臨床的成功の可能性が大きくなるものと期待している」と述べています。
今回の研究成果は「ACS applied materials&interfaces」に掲載されました。
(出所:韓国・ノーカットニュース、2018年2月8日付け内容)
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