<韓国:医療>ガン特異抗原探索ソフトウエアの開発
延世(ヨンセ)大学のキム・サンウ教授の研究チームが、次世代シーケンシング(NGS)によって、ガンの特異抗原を特定するソフトウエアを開発しました。
正常細胞がガン細胞に変わると、元の細胞になかったタンパク質が作られ、その一部は免疫反応を引き起こす「ネオアンチゲン(neoantigen)」になります。免疫化学療法は樹状細胞、ナチュラルキラー細胞、T細胞のような免疫細胞をガン細胞の新たな抗原に反応するようにしてガンを消滅させる方法です。
免疫化学療法は、従来の抗がん剤治療とは異なり、ガンの種類にとらわれず、副作用がほとんどない利点があります。しかし、抗原を正確に見つけることが難しく、全患者の約20%程度でしか効果を示していません。
さらに多くの患者で効果を上げるには、抗原分類の精度を高め、患者のガン細胞に特異な抗原を見つけ、効果的なワクチンを作る必要があります。
研究チームは、個人の遺伝子配列情報を安価で迅速に調べることが可能なNGSによって、新たな抗原生成を判断するプログラム(ソフトウエア)を開発し、これに「Neopepsee」と名付けました。
ガン細胞は、正常細胞に比べDNAの変異が多く生じますが、「Neopepsee」は累積されたDNAの変異に基づいて作られた変形タンパク質の種類を分析します。タンパク質の配列、大きさ、電荷など9つの分子の特性を利用して、免疫反応を引き起こすかどうかを判断します。
「Neopepsee」は機械学習法(マシンラーニング)に基づき、約1万5000件のデータを学習して免疫反応を判断するよう設計されました。
キム教授は「Neopepseeは、患者が持っている遺伝子の突然変異だけで免疫化学療法の効果を予測したり、効果を大幅に高めることができる」と述べています。
今回の研究結果は「Annals of Oncology」に掲載されました。
(出所:韓国・ノーカットニュース、2018年2月12日付け内容)
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