<韓国:エネルギー>水を使ったエネルギー貯蔵システムの開発
KAIST(韓国科学技術院)EEWS大学院のカン・ウォング教授の研究チームが、数十秒で急速充電を行うことができる水ベースのエネルギーストレージ素材を開発しました。
現在貯蔵装置(ESS)は、ほとんどがリチウムイオン電池を使用した電気化学的方法を用いたシステムとして商用化されていますが、有害性の問題、低い消費電力密度、長い充電時間などの問題を有しています。
これに対して、学界で研究されている水ベースのESSは環境に優しく相対的に製作が簡単ですが、既存のシステムは低い駆動電圧とエネルギー密度の低さ、急速充電の限界などが問題となっていました。
この問題を解決するため、研究チームは電極表面での急速なエネルギー交換、電極間のエネルギー損失の最小化などによって、最大出力密度を既存の水ベースのバッテリーに比べ100倍以上向上させました。さらに、10万回以上の充放電によっても重電容量が100%維持されることが確認されています。また、USB充電器や小型太陽電池などの低電力充電システムを介して20~30秒で充電可能なことも確認されました。
カン教授は「大容量・高安定性を考慮すると、水ベースのエネルギー貯蔵装置の商用化に寄与する事が期待される技術」とし、「低電力充電システムを介して急速充電が可能なだけに、携帯可能な電子機器にも適用することができる」と述べています。
今回の研究成果は「Advanced Energy Materials」2018年1月15日号に掲載されました。
(出所:韓国・ソウル経済、2018年2月19日付け内容)
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