<韓国:医療>蛍光分子対を用いたアルツハイマー病治療法
基礎科学研究院(IBS)複雑系自己組織研究団のキム・ギムン団長の研究チームが強力な蛍光分子結合対を用いて細胞が捕食に関与する細胞内小器官の動きを観察した事を明らかにしました。
細胞捕食は文字通り「細胞が自己を食べる」ということです。栄養分が不足したり、外部から微生物が侵入したとき、細胞自らの生存と恒常性を維持するために、内部のタンパク質を再活用する免疫現象です。
自己捕食が正常に起こらなければ、細胞は十分なエネルギーを確保することができず、死滅する事になります。
学界では自己飽食と関与した2つのセル小器官を観察するために蛍光タンパク質を主に利用していますが、自己捕食の過程で分解酵素の影響によって、蛍光タンパク質も分解されてしまうため、結果を得るのに難しさがありました。
研究チームは、強力な蛍光分子結合対であるククルビットウリル(Cucurbituril)分子とアダマンタンアミン分子の特異的結合の原理を利用して、自己捕食が起こる細胞小器官の動きを安定的に探ることに成功しました。
研究チームは、分解対象の多くの小器官の中で、ミトコンドリアに注目しました。多くのエネルギーを使用している脳細胞のミトコンドリアが故障したまま適切に分解されない場合、アルツハイマー病やパーキンソン病のような退行性脳疾患につながる可能性があるからです。
研究チームは、ククルビットウリルとアダマンタンアミンの分子を観察できるように、それぞれに蛍光分子を付け、ククルビットウリルは細胞内リソソームを、ダマンタンアミンはミトコンドリアを認知することができるようにしました。
キム団長は「蛍光分子結合対を用いたバイオイメージング技術は、複雑な細胞の変化をより細心に研究する道を開く」とし、「イメージング技術を神経細胞に適用した場合、退行性神経疾患細胞が捕食現象を明確に究明できるきっかけを用意するものと期待している」と述べています。
(出所:韓国・聯合ニュース、2018年2月20日付け内容)
www.takao.asia