<韓国:医療>免疫細胞による人体損傷の原理が明らかに
KAIST(韓国科学技術院)医科大学院のシン・ウイチョル教授と中央大学病院のパク・スヒョン教授の共同研究チームがウイルス性疾患で免疫細胞によって人体組織が損傷する過程を明らかにしました。
感染したウイルスとは関係のない免疫細胞を「傍観者免疫細胞(Bystander Immune Cell)」と呼びます。このウイルスに関係ない免疫細胞が活性化している「傍観者免疫細胞の活性化」は、すでに知られている現象ですが、このような現象の医学的意味が明確に解明されていませんでした。
研究チームは、A型肝炎ウイルスに感染した患者を対象にした観察を行い、A型肝炎ウイルスに特異的な免疫細胞以外にも、関係がない傍観者免疫細胞まで活性化される現象を発見しました。
研究チームの分析結果によると、A型肝炎ウイルスに感染すると、人体組織で過剰に生成される免疫物質「IL-15」が傍観者免疫細胞を活性化させ、その後、活性化した傍観者免疫細胞では、NKG2DとNKp30受容体が発現し毒性タンパク質が分泌、最終的に肝細胞が損傷を受けることになります。
シン教授は「免疫学で不透明だった傍観者免疫細胞活性化の医学的意味を新たに発見した最初の研究事例」とし、「今後、ウイルス性疾患や自己免疫疾患の人体損傷を防ぐための治療剤の研究を続ける」と述べています。
今回の研究チームは「Immunity」2018年1月号に掲載されました。
(出所:韓国・東亜サイエンス、2018年2月21日付け内容)
www.takao.asia