<韓国:先端素材>水の電気分解に用いる非貴金属触媒の開発
大邱(テグ)慶北(キョンプク)科学技術院(DGIST)エネルギー工学専攻のSangaraju Shanmugam教授の研究チームが、水の電気分解に用いる高効率のコアシェルナノ構造の電気化学的触媒を開発した事を明らかにしました。
水を電気分解する際、酸素は水素よりも発生反応が遅い特徴があります。これに対応するため、酸素の発生を補助する電気化学的触媒としてルテニウムと酸化イリジウムが適している事が知られていますが、信頼性と希少性によって、水を大量に電気分解するために活用する事への問題となっていました。
この問題に対して、研究チームは米国パシフィックノースウエスト国立研究所(PNNL)の研究者と共同で、既存の貴金属酸化電極を置き換える事ができるコアシェルナノ構造の電気化学的触媒を開発しました。
この触媒は、金属有機構造体(MOFs)の一つである有機リガンドと多量のコバルト金属イオンで構成されたプルシアンブルーアナログを前駆体として活用し、ナノカーボン層にカプセル化したのが特徴です。
研究チームは、「このような構造的特性によって炭素の耐久性を向上させ、電子を高速で移動する均一なナノメートルサイズの触媒製作が可能になる」とし、「さらに、水の電気分解装置用の電極では、炭素とコバルトの金属結合は、白金、イリジウムなどの貴金属電極よりも酸素発生反応を加速し、触媒を活性化することにより、水を効果的に分解することができる」と説明しています。
Shanmugam教授は「貴金属を使用しない、経済的な電気化学的触媒を開発し、長期的にグリーン成長(*1)を可能にする水素を大規模に生産することができる研究をする計画」と述べています。
今回の研究成果は「Advanced Energy Materials」2018年1月11日号に掲載されました。
(*1)グリーン成長:クリーンエネルギーを使用して、環境保全と経済発展を同時になすこと。
(出所:韓国・聯合ニュース、2018年2月22日付け内容)
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