プロフィール

水田尊久

Author:水田尊久
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2000年渡韓、2012年末までサムスンに勤務、約四半世紀のエンジニア生活の後、2013年に韓国で法人を設立し独立。技術コンサルティングを中心に、韓国進出支援、市場調査など、韓国を中心に活動しています。

<韓国:バイオ>遺伝子はさみの効率低下原因が明らかに

韓国の研究チームが、遺伝子はさみの効率低下原因を明らかにしました。


基礎科学研究院(IBS)遺伝子矯正研究団のキム・ジンス団長の研究チームがCRISPR遺伝子はさみの効率を阻害する要因を明らかにしました。

CRISPR遺伝子はさみは、酵素タンパク質「Cas9」、「Cpf1」を利用してDNA塩基から目的の部位を切断する技術です。各種遺伝性疾患をはじめ、遺伝子変異で生じる様々な疾患を治療することができ、バイオテクノロジー分野で注目を集めている技術です。

CRISPR遺伝子はさみは、細胞に注入した際、目的としたDNA塩基を正確に見つける事が技術のカギとなりますが、この探索効率と深い関係にあるのがガイドRNA(gRNA)です。

研究チームは、gRNAと切断酵素(Cas9またはCpf1)を複合体の形で作り、細胞に注入する際に免疫反応が起き、遺伝子矯正効率が落ちる問題に注目。gRNAを構成するリン酸を外部物質として認識し、細胞内の免疫反応が生じるものと推定し、実験により、その事実を確認しました。

さらに研究チムは、リン酸を除去した遺伝子はさみをT細胞内のCCR5遺伝子に適用して、遺伝子はさみの効率95%を達成することに成功しました。エイズ(AIDS)の原因ウイルス「HIV」の受容体として知られているCCR5遺伝子を削除すると、HIV感染を防ぐことができます。

研究チームは、「gRNA末端のリン酸を除去する方法は簡単・安価な事前工程で、免疫反応を誘発しない効率の高いgRNAを作製できるというメリットがある」とし、「特にエイズ細胞治療剤など、遺伝子はさみを使用して、さまざまな治療法に適用することができる」と述べています。

今回の研究成果は「Genome Research」2018年2月23日版に掲載されました。
(出所:韓国・朝鮮ビズ、2018年2月23日付け内容)
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