<生物・生命科学>エクソソームを用いた細胞の直接分化技術
カトリック関東大学のキム・スンハク教授の研究チームが、エクソソームを利用した高効率の細胞直接分化技術を開発した事を明らかにしました。
直接分化技術は、体細胞を誘導多能性幹細胞の段階を経ずに目的の細胞に転換する手法で、変換の過程でガン細胞になる確率が比較的低いという評価を受けています。
研究チームは、超音波で作ったエクソソームを利用して、短期間に大量に神経前駆細胞を生成できる技術を開発しました。
エクソソームは、細胞間の情報交換のためのmRNA(DNAの遺伝情報を受け、タンパク質合成の情報を伝達する物質)、マイクロRNA、タンパク質などを細胞外に分泌する50~200ナノメートルサイズ物質です。
研究チームは、エクソソームが皮膚細胞に流入すると、五日以内に、70%以上が神経前駆細胞に誘導され、生体内移植後には、神経細胞、アストロサイト、希突起膠細胞に分化する事が確認されています。
キム教授は「エクソソームによる神経前駆細胞誘導技術は、安全かつ短期間に大量生産することができて経済的」とし、「認知症やパーキンソン病、ハンチントン病などの神経疾患の自己幹細胞治療の可能性を高める一方、再生医療分野の国際的な競争力を確保することができるものと期待している」と述べています。
今回の研究成果は「ACS Nano」2018年2月20日号に掲載されました。
(出所:韓国・聯合ニュース、2018年2月27日付け内容)
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