<韓国:医療>過敏性膀胱疾患誘発タンパク質が尿路上皮組織で見つかる
韓国基礎科学支援研究院(KBSI)バイオ融合分析本部疾患標的機能研究チームのキム・ゴンファ博士の研究チームが、忠南大学病院のシン・ジュヒョン教授の研究チームとの共同研究で、尿路上皮組織で過敏性膀胱疾患を誘発するタンパク質を発見した事を明らかにしました。
過敏性膀胱疾患は、前立腺肥大症でよく現れますが、その原因と発生の経緯については、正確に知られていませんでした。学界では、神経・筋肉の要因に加えて、尿路上皮組織の反応システムの変化によって発生するものと見ています。
過活動膀胱の患者には抗コリン剤やアドレナリン薬など、膀胱の筋肉を弛緩させる方法によって治療します。しかし、合併症の可能性が大きく、患者の約半分が薬物投与を放棄しているのが実情です。
研究チームは、動物モデルを用いて尿路上皮組織を分離しました。尿路上皮は、腎臓から尿が伝わる経路(尿路系)を包んでいる膜です。
続いて蛋白質体(プロテオミクス)分析とバイオインフォマティクス手法を用いて、組織内の過活動膀胱疾患誘発原因因子と治療・診断候補タンパク質を明らかにしました。
キム博士は「今後の研究のために過活動膀胱患者の組織を利用して、治療剤の開発のための標的を選別している」とし、「既存の薬物を用いた治療の可能性を確認して、過活動膀胱疾患の新規治療剤開発のため研究を続ける計画」と語っています。
今回の研究成果は「Molecular and Cellular Proteomics」2018年3月1号に掲載されました。
(出所:韓国・聯合ニュース、2018年3月6日付け内容)
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