<韓国:先端素材>高信頼性二酸化炭素吸着剤の開発
韓国科学技術院(KAIST)生命化学工学科のチェ・ミンギ教授の研究チームが、酸化耐性を大幅に高めたアミンベースの二酸化炭素吸着剤を開発した事を明らかにしました。
学界では、酸化炭素回収のための吸着剤の研究を活発に行っており、再生に必要なエネルギーが少なく、環境にやさしい固形吸着剤への関心が特に高くなっています。
この中でも、高分子アミンを導入した吸着剤が最近注目されていますが、アミンベースの二酸化炭素吸着剤の化学的安定性があまり良くない事が問題として挙げられています。
酸素が混ざった火力発電所の排ガスに長期間触れる場合、アミン吸着剤は酸化分解を引き起こすことが明らかになっています。これによって、特性が大幅に低下し、実用化に最大の障害となっていました。
研究チームは、商用ポリマーアミンに存在する微量の金属不純物がアミン酸化分解を加速する触媒として作用することを発見し、不純物活性を抑制することが可能な少量の触媒(キレート剤)を注入したところ、酸化安定性が飛躍的に高まりました。
このような原理で開発された二酸化炭素吸着剤は、吸着性能を維持しつつ、従来比で50倍ほど良い酸化安定性を見せたと研究チームは説明しています。
チェ教授は「研究チームが開発した二酸化炭素吸着剤は、商用化の初期段階に入ったと見ることができる」とし、「研究の歴史が短く、今後も改善する部分が多いが、この吸着剤をさらに発展させ、世界最高を目指す」と述べています。
今回の研究成果は「Nature Communications」2018年2月20日オンライン版に掲載されました。
(出所:韓国・聯合ニュース、2018年3月7日付け内容)
www.takao.asia