<韓国:医療>銅イオンがパーキンソン病の発症に及ぼす影響が明らかに
高麗(コリョ)大学のキム・ジュンゴン教授とソウル大学のイ・ミンジェ教授の共同研究チームが、銅イオンによる神経毒性物質の形成原理を調査し、パーキンソン病の発症過程を明らかにしました。
パーキンソン病は、神経細胞が徐々に死滅し運動障害につながる退行性脳疾患です。脳に多くのタンパク質「α‐シヌクレイン 」が凝集した後、神経細胞に流入し毒性を表し発症することが知られています。
研究チームは、 銅イオンと結合したα‐シヌクレイン凝集体が強い神経毒性を引き起こす過程を調査し、凝集がよく発生する脳の黒質部分に銅イオンが多いという点に注目しました。
通常α‐シヌクレイン凝集体は、α‐シヌクレイン単量体が互いに結合して線維核をなし、ここに他の単量体が繋がり長線維の形態になります。
一方、銅イオンがα‐シヌクレイン単量体と結合すると巨大環構造が作られ、線維核が形成されますが、構造的なゆがみのために長く伸びることができず短線維の形態になります。このように短い凝集体は、神経細胞内に容易に流入し、正常な細胞機能を阻害することによって神経毒性を誘発します。
キム教授とイ教授は「銅イオンがパーキンソン病の原因物質を発生させるのに、どのような役割をするのか、分子と細胞レベルで明らかにした」とし、「細胞の金属イオン恒常性を調節するための新たな治療方法を提示するために貢献できる」と述べています。
今回の研究成果は「Angewandte Chemie」に掲載されました。
(出所:韓国・聯合ニュース、2018年3月10日付け内容)
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