<韓国:医療>「所有」に関連した脳の神経回路を発見
韓国科学技術院(KAIST)の研究チームが、脳の視床下部の一部神経回路によって、餌を獲得しようとする「所有」の意識が形成される事実を明らかにしました。
人や動物は、生存のための餌や有用なものなどを獲得するため、様々なものを探索し、所有しようとする欲求があります。しかし、過度の欲望を調節できず、誤った習慣や病気につながる場合もあります。
KAIST生命科学科のキム・デス教授と機械工学科のイ・ピルスン教授の研究チームは、内側視索前野(medial preoptic area、MPA)と呼ばれる脳の視床下部の一部が餌を獲得しようとする本能を作り出すという事実を明らかにしました。
研究チームは、1匹のマウスにおもちゃを持って遊ばせ、他のマウスにはおもちゃを与えない状況で、脳を分析したところ、MPA神経回路が活性化されることを発見しました。さらに、光でMPAを刺激すると、マウスがおもちゃを獲得するために執着する異常行動を示すことを確認しました。
研究チームは、MPA神経が水道周囲灰白質(periaqueductal gray、PAG)に興奮信号を送信する行為を示す事を究明。この神経系を「MPA‐PAG」神経回路と名付けました。
キム教授は「マウスが、餌ではない無駄な物に反応する遊びの行動の意味を見つけることは容易ではなかった」とし、「MPA‐PAG回路を刺激した際、コオロギなど餌の狩り行動が増加することを発見した」と説明しています。また、「物を持って遊ぶのは、餌など有用なものを獲得する行動と同じ神経回路を介して行われる」と述べています。
今回の研究成果は「Nature Neuroscience」2018年3月1日号に掲載されました。
(出所:韓国・東亜サイエンス、2018年3月15日付け内容)
www.takao.asia