<韓国:エネルギー>量子ドット太陽電池の電圧損失原因が明らかに
韓国科学技術研究院(KIST)計算科学研究センターのキム・ドンフン博士の研究チームが米国マサチューセッツ州工科大学(MIT)のJeffrey Grossman教授チームとの共同研究を通じて、量子ドット太陽電池の電圧損失原因を明らかにしました。
研究チームは、量子ドット太陽電池に使用される硫化鉛(PbS)材料の表面に、鉛または塩素元素の公共欠陥(vacancy)が多く存在することを確認し、これによって、太陽電池の出力電圧が制限される事を明らかにしました。
太陽電池の出力電圧は、エネルギー変換効率と直結しています。理論上、硫化鉛量子ドット太陽電池は、約0.9V以上の電圧出力が可能ですが、実際は約0.5Vにとどまっています。
研究チームは、空孔欠陥がストークスシフトにつながることを指摘。ストークスシフトは、光を吸収・放出するときのスペクトルで最大波長値が異なって表示される現象です。
研究チームは、ストークスシフト最小化の研究を続けることによって、量子ドット太陽電池が、シリコン、ペロブスカイト材料との効率格差を減少させることが可能と予測しています。
キム博士は「量子ドット太陽電池の電圧を上昇させるための様々な実験的な努力に対し、正しい方向を提示する」とし、「出力電圧が最大現在の180%まで上昇させることができるだろう」と述べています。
今回の研究成果は「ACS Nano」に掲載されました。
(出所:韓国・電子新聞、2018年3月19日付け内容)
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