<韓国:先端素材>カメレオンのように色が変化するウエラブル素材用電極の開発
韓国電子通信研究院(ETRI)はグラフェン材料を4層に積み重ね0.5秒で色が変わるエレクトロクロミック素子を開発しました。
ETRIは、2013年にもスマートウィンドウ(通電することによって、透明から不透明へ変化する窓)を開発した経験がありましたが、当時の技術では、インジウムスズ酸化物(ITO)が電極として基板の上に用いられていました。しかしITOは希少な物質である上に、グラフェンに比べて電気化学的安定性、信頼性、および柔軟性に欠け、ウェアラブル化への問題となっていました。
電極として使用するためには電気伝導性に優れている必要があり、ディスプレイとして用いるためには、透明な基板の上にのせた時に、光がよく透過する性質が必要であり、両者の特性の調整が鍵になります。
この課題を両立させるために、研究チームは、紙の厚さよりも100万倍薄い厚さのグラフェンを積層する手法を用いました。
研究チームは、4層のグラフェン電極を用いた時が、電気化学的安定性が最も優れている事を明らかにし、90%以上の高い透過率を有し、変色速度もITO電極を用いた場合に比べ、
最大10倍高速な0.5秒以下と大幅に改善しました。
ETRI実感ディスプレイ研究グループプロジェクトのキム・テヨプリーダーは、「グラフェンを利用して、色と熱可変素子を開発、個人戦闘用の軍靴、防寒帽、迷彩服をプラットフォーム化し 敵から味方を保護するカメレオン偽装技術に拡大する計画」と述べています。
今回の研究成果は「Scientific Reports」2018年3月27日号に掲載されました。
(出所:韓国・アイニュース、2018年3月27日付け内容)
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